インプラントの周りの歯茎が腫れてしまった!Perio
インプラントはチタンとセラミックでできた人工物のため、虫歯にかかることはありません。しかし、口腔内の清掃状態がよくないとインプラントの根元にプラークがたまり、歯周組織に歯周病菌が繁殖して「インプラント周囲炎」という病気にかかってしまいます。
インプラントの歯周病とも言えるインプラント周囲炎になると、インプラントと歯茎の境目にある歯周ポケットが徐々に深くなり、次第に顎の骨が溶けて、最終的にはインプラントが抜け落ちてしまいます。
インプラント周囲炎はこんな形で進行していきます
- インプラントの周囲にプラークがたまり、歯茎が炎症を起こし、赤く腫れる
- インプラントと歯茎の境目の歯周ポケットが深くなってくる
- インプラントを支える顎の骨が溶けだして、インプラントがぐらつきはじめる
さらに顎の骨が溶かされ、インプラントにはっきりとしたぐらつきが見られ、
最後は抜け落ちてしまう
インプラント周囲炎は、はじめのうちは痛みなどの自覚症状がないため、気づかずに進行しやすい病気です。定期検診でのメインテナンスはもちろん、毎日のブラッシングを欠かさず行い、長期にわたってインプラントを保っていきましょう。
インプラント周囲炎にはどう対処すればいい?
この病気は、歯周病と同様の症状が現れるのが特徴です。初期の段階での自覚症状があまり見られず、歯茎の出血や腫れ、膿が出るといった症状が現れてから気づくことが大半です。
当医院では、歯周病の検査と同様の検査を行い、正確な診断にもとづいて的確な処置を行っています。
インプラント周囲炎を調べるには
- レントゲン撮影
- 歯の動揺度の検査
- 出血・膿の有無の確認
- 咬み合わせの確認
- 歯周ポケットの深さの測定
- 細菌の検査
進行の段階に合わせた処置
歯周ポケットの深さが 3mmまでの場合 |
PMTCなどの専門的なクリーニングで、プラークなどの汚れを除去していきます。出血や汚れがなければ、処置は不要です。 |
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歯周ポケットの深さが 4~5mmの場合 |
PMTCなどの専門的なクリーニングと、消毒薬による洗浄が必要になります。 |
歯周ポケットの深さが 5mm以上の場合 |
骨は溶けていないが出血があるときは、PMTCと消毒液による洗浄を行います。骨が溶けていて出血があるときはそれらの処置のほかに、全身あるいは局所(歯周ポケットの内部)に抗生剤を投与。その後、感染した歯肉やインプラントにこびりついた歯石を取り除きます。インプラントを取り外して、骨を再生する手術を行う場合もあります。 |
インプラント周囲炎をしっかり予防しましょう
大切なインプラントを長持ちさせるためには、やはり毎日のブラッシングが大切です。常にプラークを残さない状態にしておくことで、効果的な予防につながります。
そのうえで、セルフケアだけでは行き届かない部分を歯科医院でケアしてもらうことも忘れてはなりません。この病気は初期の段階では自覚症状がないため、異常が見られなくても定期検診をきちんと受け、早期発見や早期治療に努めましょう。